オープンワールドの原始的な魅力を提供したグラビティデイズ
次世代携帯機、PSPVITAの三カ月後に発売され、海外サイトレビュー、PSストアでの評価を足がかりに着実に売り上げを伸ばした。そして自社商品であることからも今や押しも押されぬPSPVITAの代表作となったグラビティデイズ。
一通りメインストーリーをクリアしたので今回はこのゲームを評価していこう。
「飛び駆ける」という快感
ストーリーを進め、舞台となる街を自由に歩き回れるようになり、本作独自の「重力操作」を試そうといろいろボタンをいじくる。
しかしどうにもうまくいかない。
操作がもたつくし、おまけに空中に浮遊するための「重力ゲージ」がすぐに切れて、落下してしまう。
このゲームに対する最初の印象はあまり芳しいものではなかった。
しかし、ゲームを進めるにつれて、経験値がたまり、その経験値を重力ゲージの増加や落下速度に振り分ける。
するとどうだろう…この解放感…宙に漂い進む方向を決め、その目的地へ引力に引き寄せられるように加速していく。PSPVITAの高解像と大きいモニターが相まって興奮は最高潮に達していく。

この気持ちを言語化するのはかなり難しい…
飛んでいるというほど呑気な表現ではない…
重力だから浮く…いやこれもなんだかパッとしない…
ここまで自由に空を駆けまわるこの解放感はそう「飛び駆ける」という言葉が自分の中でしっくりくる。
快感を誘う酔い止め
このゲームをプレイする疲労はもちろん伴うが、どれだけプレイしても不思議なことにあまり酔うことはなかった。これだけ浮いたり、激しい重力を伴う移動が繰り返されているのに…
そのもとになっているとされるのは任天堂がWIIで出した「スーパーマリオギャラクシー」のキャラクターを中間においてカメラが移動していく手法と酷似している。
(3Dアクションを新しい時限へおし進めた記念碑的作品)

惑星が舞台となっている「スーパーマリオギャラクシー」では、キャラクターをカメラの中心に常におさめ、やや遠目からカメラが移動している。
これによりカメラ操作というストレスからプレイヤーを解放し、純粋にアクションに打ち込める環境を作っている。
そして一番の効果はカメラが最適な位置をとって移動するため、目の負担も脳の負担も軽減されているということだ。
グラビティデイズも極力、重力操作中はプレイヤーをカメラの中心におさめ、、プレイヤーを軸に視点が移動していく。そのため過度な画面のぐらつきなどは発生せず、快適な視点を確保してプレイできる。
オープンワールドゲームとは?
本作は他方では「オープンワールドゲームの傑作」という評され方をしている。
オープンワールドゲームはロックスター社からの「GTA3」から市民権を本格的に得て、その後、多くのゲーム会社がその手法を模倣することになる。
GTAは「自由度の高いゲーム」という宣伝をよく目にするが、それは暴力やセクシャルを示すものではない。
「メインストーリーの進行を自分の塩梅で決めることができるミッション形式」にある
これがGTA3が世間に示した21世紀の「自由なゲーム」のスタンダードである。
広大な街の中で、メインストーリーを進めるために目的地に進むと、ミッションが課せられミッションを攻略するとこでメインストーリーは進む。(メインミッション/クエストとでもいうべきか)
メインミッションを進める目的地に行くかどうかはプレイヤーが決めることができる。十分に街の中で操作感覚をつかんでから挑むもよし、少し不安ならサブミッションをこなして、プレイヤーの能力値を底上げするもよし。
とにかく従来のRPGやアクションゲームと違って、ボス戦前に不十分な装備や体力でセーブしたらもう抜け出せず、リスタートしかないという悲劇が起こりにくい。
このシステムはドラゴンクエスト以上に
「努力すればいつかクリアできる」
という希望の根性論をより明確に我々ゲーマーへ叩きこんでいる。
よくGTAは「メインミッションを進めなくても楽しめる」という声もあるが、メインミッションをクリアすればいける街や使用できる武器も増える。サブミッションはメインとは違う楽しみを提示するのではなくあくまで「メインストーリーをクリアするための経験値や息抜き」として機能している。
メインストーリー攻略のストレスを最小限に抑えた作り
さて話は長引いたが「グラビティデイズ」はこのミッション制の自由度をしっかりと継承している。
確かに「スカイリム」のように膨大なサブミッションが設置されているわけでもないし、GTAのように街中の人々に干渉する選択肢も少ない。
グラビティデイズはあくまでメインミッションを進めてもらうために様々な工夫が凝らされている。
例えばグラビティデイズの経験値は敵を倒す以上に
「街中に散らばっている宝石上のアイテムを収集する」
「あらゆるところに設置されたミニゲームをこなす」ことで効率的に得られる。
街中で経験値を獲得する場合は重力操作をうまく使いこなし、空中浮遊の微調整を無意識のうちに行うことで基礎的なプレイヤースキルを高める。
ミニゲームは敵を短時間で効率よこう倒すものや設置されたチェックポイントを重力操作を使って通過していく応用を試される。
ゲーム内のプレイングを高めつつも、キャラクターの能力を上げる。一石二鳥でゲーム難易度を下げていくことができる。
経験値を能力に振り分けるかどうかもプレイヤーの自由なので腕に覚えのある人はあえてあまり能力をあげないでストーリーを進めることもできる。
換骨堕胎の優等生
総括するとグラビティデイズは「重力操作」という新鮮さばかりにフューチャーされているが、初心者・上級者の両方が遊べる難易度設計をミッション形式にすることで提示し、ゲームのシステム以上に自分のプレイングでうまくなったことが実感できる作りとなっている。
カメラ操作も含めて本作はこれまでの優秀な作品から良質な部分をしっかり抽出し、新しいゲームとしてプレイヤーに提示している。
まさに「職人芸」が適切なゲームである。
いうまでもなく本作はVITAを持っているプレイヤーなら体験版ではなく、うまさの実感が快感の実感へとつながる製品版を勧めたい。
クリエーター・外山圭一郎氏のインタビュー
氏が手掛けたホラーゲーム「SIREN」も異形の怪物の視点を「覗き見る」という視界ジャックというシステムを導入していた。
序盤は非力な主人公を恐る恐る動かすが、ゲームに慣れると視界ジャックを通して敵の行動パターンや自分の現在地、攻略法を考え出していく。ただ攻略サイトに頼らない攻略はかなり難しいといえる。
外山氏は最低限の鍛錬の先にあるプレイの上達をカタルシスとして提示する硬派なタイプのクリエーターといえる。
(カービィやスマブラの生みの親で日本を代表するゲームクリエーター桜井政博氏のゲーム観を垣間見せる動画の一つ。カービィも「吸って吐く」、スマブラも「はじく」という斬新ながらもわかりやすい。彼もミッション制とは異なるが、プレイヤーのプレイの幅でゲームの難易度を変えられるように心がけている)
一通りメインストーリーをクリアしたので今回はこのゲームを評価していこう。
![]() | GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動 (2012/02/09) PlayStation Vita 商品詳細を見る |
「飛び駆ける」という快感
ストーリーを進め、舞台となる街を自由に歩き回れるようになり、本作独自の「重力操作」を試そうといろいろボタンをいじくる。
しかしどうにもうまくいかない。
操作がもたつくし、おまけに空中に浮遊するための「重力ゲージ」がすぐに切れて、落下してしまう。
このゲームに対する最初の印象はあまり芳しいものではなかった。
しかし、ゲームを進めるにつれて、経験値がたまり、その経験値を重力ゲージの増加や落下速度に振り分ける。
するとどうだろう…この解放感…宙に漂い進む方向を決め、その目的地へ引力に引き寄せられるように加速していく。PSPVITAの高解像と大きいモニターが相まって興奮は最高潮に達していく。

この気持ちを言語化するのはかなり難しい…
飛んでいるというほど呑気な表現ではない…
重力だから浮く…いやこれもなんだかパッとしない…
ここまで自由に空を駆けまわるこの解放感はそう「飛び駆ける」という言葉が自分の中でしっくりくる。
快感を誘う酔い止め
このゲームをプレイする疲労はもちろん伴うが、どれだけプレイしても不思議なことにあまり酔うことはなかった。これだけ浮いたり、激しい重力を伴う移動が繰り返されているのに…
そのもとになっているとされるのは任天堂がWIIで出した「スーパーマリオギャラクシー」のキャラクターを中間においてカメラが移動していく手法と酷似している。
![]() | スーパーマリオギャラクシー (2007/11/01) Nintendo Wii 商品詳細を見る |
(3Dアクションを新しい時限へおし進めた記念碑的作品)

惑星が舞台となっている「スーパーマリオギャラクシー」では、キャラクターをカメラの中心に常におさめ、やや遠目からカメラが移動している。
これによりカメラ操作というストレスからプレイヤーを解放し、純粋にアクションに打ち込める環境を作っている。
そして一番の効果はカメラが最適な位置をとって移動するため、目の負担も脳の負担も軽減されているということだ。
グラビティデイズも極力、重力操作中はプレイヤーをカメラの中心におさめ、、プレイヤーを軸に視点が移動していく。そのため過度な画面のぐらつきなどは発生せず、快適な視点を確保してプレイできる。
オープンワールドゲームとは?
本作は他方では「オープンワールドゲームの傑作」という評され方をしている。
オープンワールドゲームはロックスター社からの「GTA3」から市民権を本格的に得て、その後、多くのゲーム会社がその手法を模倣することになる。
![]() | ロックスター・クラシックス グランド・セフト・オートIII【CEROレーティング「Z」】 (2011/09/29) PlayStation2 商品詳細を見る |
GTAは「自由度の高いゲーム」という宣伝をよく目にするが、それは暴力やセクシャルを示すものではない。
「メインストーリーの進行を自分の塩梅で決めることができるミッション形式」にある
これがGTA3が世間に示した21世紀の「自由なゲーム」のスタンダードである。
広大な街の中で、メインストーリーを進めるために目的地に進むと、ミッションが課せられミッションを攻略するとこでメインストーリーは進む。(メインミッション/クエストとでもいうべきか)
メインミッションを進める目的地に行くかどうかはプレイヤーが決めることができる。十分に街の中で操作感覚をつかんでから挑むもよし、少し不安ならサブミッションをこなして、プレイヤーの能力値を底上げするもよし。
とにかく従来のRPGやアクションゲームと違って、ボス戦前に不十分な装備や体力でセーブしたらもう抜け出せず、リスタートしかないという悲劇が起こりにくい。
このシステムはドラゴンクエスト以上に
「努力すればいつかクリアできる」
という希望の根性論をより明確に我々ゲーマーへ叩きこんでいる。
よくGTAは「メインミッションを進めなくても楽しめる」という声もあるが、メインミッションをクリアすればいける街や使用できる武器も増える。サブミッションはメインとは違う楽しみを提示するのではなくあくまで「メインストーリーをクリアするための経験値や息抜き」として機能している。
メインストーリー攻略のストレスを最小限に抑えた作り
さて話は長引いたが「グラビティデイズ」はこのミッション制の自由度をしっかりと継承している。
確かに「スカイリム」のように膨大なサブミッションが設置されているわけでもないし、GTAのように街中の人々に干渉する選択肢も少ない。
グラビティデイズはあくまでメインミッションを進めてもらうために様々な工夫が凝らされている。
例えばグラビティデイズの経験値は敵を倒す以上に
「街中に散らばっている宝石上のアイテムを収集する」
「あらゆるところに設置されたミニゲームをこなす」ことで効率的に得られる。
街中で経験値を獲得する場合は重力操作をうまく使いこなし、空中浮遊の微調整を無意識のうちに行うことで基礎的なプレイヤースキルを高める。
ミニゲームは敵を短時間で効率よこう倒すものや設置されたチェックポイントを重力操作を使って通過していく応用を試される。
ゲーム内のプレイングを高めつつも、キャラクターの能力を上げる。一石二鳥でゲーム難易度を下げていくことができる。
経験値を能力に振り分けるかどうかもプレイヤーの自由なので腕に覚えのある人はあえてあまり能力をあげないでストーリーを進めることもできる。
換骨堕胎の優等生
総括するとグラビティデイズは「重力操作」という新鮮さばかりにフューチャーされているが、初心者・上級者の両方が遊べる難易度設計をミッション形式にすることで提示し、ゲームのシステム以上に自分のプレイングでうまくなったことが実感できる作りとなっている。
カメラ操作も含めて本作はこれまでの優秀な作品から良質な部分をしっかり抽出し、新しいゲームとしてプレイヤーに提示している。
まさに「職人芸」が適切なゲームである。
いうまでもなく本作はVITAを持っているプレイヤーなら体験版ではなく、うまさの実感が快感の実感へとつながる製品版を勧めたい。
クリエーター・外山圭一郎氏のインタビュー
氏が手掛けたホラーゲーム「SIREN」も異形の怪物の視点を「覗き見る」という視界ジャックというシステムを導入していた。
序盤は非力な主人公を恐る恐る動かすが、ゲームに慣れると視界ジャックを通して敵の行動パターンや自分の現在地、攻略法を考え出していく。ただ攻略サイトに頼らない攻略はかなり難しいといえる。
外山氏は最低限の鍛錬の先にあるプレイの上達をカタルシスとして提示する硬派なタイプのクリエーターといえる。
![]() | SIREN (2003/11/06) PlayStation2 商品詳細を見る |
(カービィやスマブラの生みの親で日本を代表するゲームクリエーター桜井政博氏のゲーム観を垣間見せる動画の一つ。カービィも「吸って吐く」、スマブラも「はじく」という斬新ながらもわかりやすい。彼もミッション制とは異なるが、プレイヤーのプレイの幅でゲームの難易度を変えられるように心がけている)









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